東京カジュアル山岳会 やまねこ倶楽部


レポート
  • 奥秩父

おっさんの大冒険!1泊2日で釜ノ沢東俣遡行


天気1日目:曇、2日目:晴
アクセス車(西沢渓谷駐車場)
総勢レオ、おっちゃん
所要時間1日目:6h40min、2日目:8h
09:20
西沢渓谷駐車場〜ホラの貝のゴルジュ

7月の3連休。

おっちゃんと2人で北鎌尾根を攻める予定だったのだが、ギリギリまで天気予報と睨めっこしたあげく、転進することに。

「沢登り初心者同士、泊まりでの沢登りにいったら面白いんじゃね?」
と、冒険心をくすぐられるおっちゃんの提案にのり、奥秩父の大ナメを体感できる美渓「釜ノ沢東俣」にチャレンジすることとなった。

09:20

西沢渓谷駐車場にて装備を整え、いざ出陣。

しばらくは西沢渓谷遊歩道に従い進む。

整備されていて歩きやすいー。

09:50

吊り橋を渡った先にある、鶏冠山へ向かうルートとの分岐点。

東沢に降りるため、我々もこちらのルートへ進む。

踏み跡明瞭。

しばらくすると東沢にぶつかる。

ここからしばらくは東沢沿いに巻き道を進むのだが、アップダウンが多く、入渓前なのに少しづつ体力を削られていく…。

10:40

ホラの貝のゴルジュを発見。

水量も多く、水深も深く、取り付けるような岩もなく、ここは大人しく高巻くことに。
(高巻くルートが一般的)

10:40
ホラの貝のゴルジュ〜東のナメ沢〜千畳のナメ

河原に降りたり、山道を登ったりを繰り返し、ようやく入渓できそうなポイントへ。

渡渉しながら河原沿いをもくもくと進む。

乙女の沢を過ぎたあたりから、段々ナメが増えてきた。

これこれ!

釜ノ沢らしい景色が見え始め、徐々にテンションがあがる。

フェルトの沢靴では全然踏ん張りが効かず。

こういったナメを歩くときはかなり気を遣う。

14:10

そんなこんなで、魚止めの滝に。

右岸から高巻くと…


(参考:川上から河口に向かい、右岸・左岸と呼ぶので、遡上している本人から見て、左側が右岸、右側が左岸となる。)

14:30

本日のメインディッシュ、千畳のナメに到着〜

14:30
千畳のナメ〜両門ノ滝〜幕営地

ここまでくるのにそれなりに苦労したので、喜びも一入。

初めて見る景色に圧倒され、「すごい」以外の言葉がでない、ボキャブラリー不足のおっさん2人。


(瞬間的に、ここで流しソーメンやってみたい・・・と思ったけど、感動が薄れるので言うのをやめました。)

おっちゃんも、大自然の中では少年のようにはしゃいじゃいます。

こっちのおじさんもはしゃいじゃうぜー

傾斜も緩く、ここではフェルトの沢靴がしっかり効いてくれたので、足取り軽く、ぐんぐん進む。

15:30

本日最後の難関、両門ノ滝、到着。
どちらも落差20mのナメ滝。


ここは西俣ルートと東俣ルートの分岐でもある。

我々は東俣なので、右の滝にとりつくことに。

とはいえ、このナメ滝を直登するほどの技術と経験はもっていないので、おとなしく、すぐ横の高巻きルートへ。


ここもなかなかの急登。

16:00

両門ノ滝を越えた後、小さい滝をいくつか高巻きながら登ると、予定していた幕営ポイントへ到着。

おじさん、初日やり切ったぜ!

16:00
幕営地で野営

寝場所を作り、いったん落ち着いたところで乾杯!

隣にテントを張った熟練ペアに手伝ってもらい、焚き火を起こす。

薪が湿っていたので、かなり苦戦した。。


こちらの男性はとある山小屋のご主人ということもあり、暗くなるまで山の話で盛り上がりましたとさ。

「焚き火を前にすると、何かを告白したくなっちゃうよね」

byおっちゃん








おやすみなさい。

05:00
幕営地〜小滝連続〜大ナメ滝手前

翌朝

天気はよさそうだ。
今日もいい沢登りができそうな予感。
(のちにこの予感は、大きく外れることとなる)


とりあえず、朝一のコーヒーを。

5:20

片づけ・準備完了。
隣の熟練ペアに挨拶をし、2日目行動開始。

今日は基本的に高巻きはしないで、沢沿いにひたすら進む予定だ。

倒木も多いが、快調に登って行く。

小滝連続エリアも、巻かずに積極的に挑むおじさん。

こっちのおっちゃんは、安全第一高巻きルート。

07:55

遡行図と睨めっこしながらいくつかの分岐を越え、終盤の大ナメ滝手前あたりにたどり着いた。

遠目からみて、あの大ナメ滝は直登は厳しそうと判断し、遡行図に書かれている高巻きルートを選択。

近くにピンクテープを見つけたので、そこが高巻きルートの取り付きと考え、ちょっと急登だなと思いながらもクライムオン。

07:55
大ナメ滝手前〜???〜木賊山山頂

大ナメ滝を左に見ながら直登。

徐々に滝から離れて行くので、どこかでトラバースをして滝に寄るべきなんだろうと考えてはいたが、いっこうに左にトラバースするような踏み跡が現れない。

とうとう上部の崩落地まで登ってしまい、足場はザレザレ、掴めそうな岩や倒木はすぐ崩れる始末。

ここから無理矢理トラバースするより、尾根まで直登したほうが安全と判断し、ロープを出しておっちゃんがリードすることとなる。

おっちゃんが道を切り開き、何とか近くの尾根に出た。

ここから沢に戻るのは諦め、木賊山山頂を目指す。


危険地帯は抜けたし、とりあえずこのまま直登していけば一般道にでるし、とりあえずは一安心…

ではなかった。


登れど登れど、山頂が見えない。

しかも高度を上げていくにつれ、どんどん薮がこくなっていく。

こんなきつい藪漕ぎは初めてだぞ。


でも進むしかない。踏み跡はないけど、上を目指して行くしかない。


シャクナゲの枝に全身を鞭打されながら、おじさん2人は会話することなく、一心不乱に前進していく。

11:20
木賊山山頂〜徳ちゃん新道〜西沢渓谷駐車場

濃い薮を抜けたところで、鶏冠尾根らしきピンクテープをみつける。

明瞭な踏み跡に沿って進み、ついに一般道に合流。


11:20

木賊山山頂、到着。

長かった…

あとは一般道を下るだけ。

沢装備を外し、行動食を食べ、下山スタート。


とにかくこの山を離れたい一心で、飛ばす飛ばす。

あっという間に、徳ちゃん新道分岐。

13:30

そして近丸新道登山口へ下山。


色々あったけど、中身の濃ゆい山行であった。

最後の最後で沢から離れてしまったのは心残り。
またチャレンジしにくるぜ!




おっちゃん
「俺はもうここには来たくない!!」

レオさま
レオさま
<総括>
今回は、予定していた沢登りに物凄い大きな+αがついてきた山行となったが、非常に貴重な経験を積むことができ、北鎌尾根の代役としての役割は十分果たしてくれたと思っている。沢登りの楽しさを再確認できただけでなく、イレギュラーな状況でどのように考え判断するかの実践的トレーニングも積むことができ、満足度は非常に高い。またチャレンジしにくるぜい!!
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